本を読まない人のための本屋「wonderfulworld!」

本屋?雑貨屋? 北海道の函館市の隣の北斗市にある、本と雑貨と音楽の小さなお店。 あなたの人生を劇的に変化させる恐れがありますのでのめり込みすぎに注意しましょう。

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読了。




とにかく臨場感がすごかった。ページを開くと一瞬で北海道の森の奥深くに飛ばされた。草木の匂い、虫の羽音、山間を抜ける風、野生の動物の生きる気配、緊張、興奮、恐怖、空腹、充足感、幸福感、まるで自分がハンターであるかように感じられた。ハンターとしての経験と人生を刻まれた気がした。
無性に山を歩きたくなった。生きている実感を味わいたくなった。そして友と呼べる犬と共に生きていけたらどんなに幸せだろうか、と思った。
「山に入り、ケモノと命のやりとりをする」というシンプルなハンターの生き方を、最後まで飽きさせることなくドラマチックに読ませてくれた。おもしろかった。





羆撃ち (小学館文庫)
久保 俊治
小学館
2012-02-03


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読了。


舞城王太郎はデビュー作で衝撃を受けて14作品くらいは新作が出るたびに読んでいたが、ここ数年読んでも心が躍らなくなり遠ざかっていた。
TVブロスに掲載されている豊崎さんの連載で、この「淵の王」が紹介され、そして絶賛されているのを見て、久々にこの舞城作品を読んでみようかと思った。
良かった。突きぬけた良さがあった。舞城王太郎が帰って来たと思った。想像を超えた強さで帰って来たようだった。
この作品を読んだ方と、この作品について大いに語り合いたいと思った。
ああハッピーだ。これが幸せだ。これだ。今、ここだ。







淵の王
舞城 王太郎
新潮社
2015-05-29


 

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読了。

41歳で自死した函館出身の作者による、函館をモチーフにした連作短編小説。
この小説を読んでから町を車で走ると「描かれていたのはここあたりかな」と思うようになり、函館が一層楽しめるようになった。
個人的には素晴らしい作品だと思うけど、読む人を選ぶ。 前情報なしで初めて第一話読んだ後は、大分うろたえてしまって、自分をなだめるのに苦労した。
第一話と最終話だけでいうと、3回くらいは読みなおした気がする。また少し時間をおいて、読み返したい。映画化もされて出来も良いそうなので、こちらも必ず見たい。
 
 








海炭市叙景 (小学館文庫)
佐藤 泰志
小学館
2010-10-06

 

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「ルパン三世カリオストロの城」が大好き。

何回映画を観たかわからない私は、以前からこちらをプッシュしておりました。

東京の「三鷹の森ジブリ美術館」で、新企画が展示された流れで「幽霊塔」の新バージョンが刊行されました。

→「三鷹の森ジブリ美術館 新企画展示のお知らせ」










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「幽霊塔」江戸川乱歩 (口絵)宮崎駿









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宮崎駿さん、フルカラー(!)マンガで「幽霊塔」への熱い想いを語っています。









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気合いが入りすぎて映画の設定資料みたいになってきました。









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なんやこれ!

絵コンテが出来あがってるやん!!

これに従ってジブリの皆さんが動けば映画になります…。

映画にはしないらしいですけど…。

もったいない!
 








宮崎駿氏が描いているのは前半の16ページくらいだけですが、読み応えありです!

「幽霊塔」単独の内容でいうと、春陽堂さんの方が「おどろおどろ」しくて個人的には好きです。江戸川乱歩らしさが出ているのも春陽堂さんだと(勝手に)思ってます。

カリオストロ好きなのに未読の方は、どちらでも結構なのでぜひ「幽霊塔」を読んで下さいね!



















あっ!僕まだ「幽霊塔」読んでへんかったわっ! 




幽霊塔
江戸川 乱歩
岩波書店
2015-06-06


幽霊塔 (春陽文庫―江戸川乱歩文庫)
江戸川 乱歩
春陽堂書店
1988-01

 

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